第 8 章 指数平滑化

指数平滑化は、1950年代後半に提案され (Brown, 1959; Holt, 1957; Winters, 1960) 、最も成功している予測手法のいくつかを動機付けてきました。指数平滑化法による予測は、過去の観測値の加重平均ですが、加重は観測値が古くなるほど指数関数的に衰えていきます。言い換えれば、最近の観測値ほど与えられる加重が大きいということです。このフレームワークは、信頼できる予測を素早くかつ広い範囲の時系列に生成できます。これは大きな利点であり、実務に適用する上でとても重要なことです。

本章は2部に分かれています。第1部(8.18.4節)では、最も重要な指数平滑化法の仕組みを示し、さまざまな特徴を持つ時系列の予測に適用してみます。この手法がどう機能するのか、直観を養います。ここでは、予測手法の選択と使用がいくらか取ってつけたように見えるかもしれません。手法は一般的に、時系列の鍵となる成分(トレンド成分や季節成分)の認識と、これらを平滑化法に入れるやり方(加法か乗法か、減衰させるか否かなど)に基いて分類されています。

本章の第2部(8.58.7節)では、指数平滑化法の根底にある統計モデルを示します。このモデルは、本章第1部で議論した手法と同じ点予測を生成するだけでなく、区間予測も生成します。さらに、この統計的フレームワークにより、競合する複数のモデルの中から純粋にモデル選択できるようになります。

参考文献

Brown, R. G. (1959). Statistical forecasting for inventory control. McGraw/Hill.
Holt, C. E. (1957). Forecasting seasonals and trends by exponentially weighted averages (O.N.R. Memorandum No. 52). Carnegie Institute of Technology, Pittsburgh USA. [DOI]
Winters, P. R. (1960). Forecasting sales by exponentially weighted moving averages. Management Science, 6(3), 324–342. [DOI]