11.5 予測の分布の和解

ここまでは、点予測の和解だけを議論してきました。しかし、区間予測を計算するため、予測の分布にも興味があるのが普通です。

Panagiotelis et al. (2020) は、確率的和解予測を生成するいくつかの重要な結果を提示しています。ここでは、reconcile()関数に実装されている2つの根本的な結果に焦点を絞ります。

  1. もし基礎予測が正規分布、つまり、以下の通りなら、 \[ \hat{\bm{y}}_h\sim N(\hat{\bm\mu}_h,\hat{\bm\Sigma}_h) \] 和解予測もまた正規分布で、以下のようになります。 \[ \tilde{\bm{y}}_h \sim N(\bm{S}\bm{G}\hat{\bm{\mu}}_h,\bm{S}\bm{G}\hat{\bm{\Sigma}}_{h}\bm{G}'\bm{S}') \]

  2. もし基礎予測に正規分布を想定するのが不合理なら、ブートストラップが使えます。ブートストラップによる区間予測は5.5節で紹介しました。ここでも同じアイディアが使えます。基礎予測を生成するモデルから将来の標本経路をシミュレートして、それら標本経路を和解させることができます。和解標本経路から一貫性のある区間予測が計算できます。

    \((\hat{\bm{y}}_h^{[1]},\dots,\hat{\bm{y}}_h^{[B]})\)を、基礎予測を生成するのに使ったモデルから\(B\)回のシミュレーションによって独立に生成した標本経路一式とします。すると、\((\bm{S}\bm{G}\hat{\bm{y}}_h^{[1]},\dots,\bm{S}\bm{G}\hat{\bm{y}}_h^{[B]})\)が和解標本経路一式になり、そこから百分位数を計算して、一貫性のある区間予測を構築できます。

    このようにブートストラップによる区間予測を生成するには、forecast()関数の中でbootstrap = TRUEと設定するだけです。

参考文献

Panagiotelis, A., Gamakumara, P., Athanasopoulos, G., & Hyndman, R. J. (2020). Probabilistic forecast reconciliation: Properties, evaluation and score optimisation (Working Paper No. 26/20). Department of Econometrics & Business Statistics, Monash University. http://robjhyndman.com/publications/coherentprob/